ここ近年「監護者わいせつ罪」や「監護者性交等罪」という罪名をニュースで目にしたことはないだろうか。 2017年の刑法一部改正により新設され、親や養親などの監護者が、18歳未満の者に対して「監護者であることによる影響力」に乗じて、わいせつ行為や性交をした場合、これらの罪に問われるようになった。通常の強制性交等罪のように、暴行や脅迫などの行為がなくとも成立する。 多くの刑事裁判を傍聴するライターの高橋ユキ氏によれば、被告人となった父親たちの言動には、「ある共通点が見えたり、似た証言をすることがあった」という。それは一体、どんなものなのか。高橋氏の寄稿をお届けする。 ●傍聴にも一苦労 「監護者わいせつ罪」や「監護者性交等罪」に問われた事件の傍聴は、なかなか骨が折れる。 逮捕されたり、または有罪判決を受けた“監護者”たちの実名は報じられない。被害者は監護者の子である場合があるため、被害者秘匿の観点