何でか知らないがみんながみんな僕のことを避けて歩く。別に道の真ん中を歩いているわけじゃない。 真横のショーウィンドウに僕が映っている。歩くたび次のショーウィンドウへと僕が移動する。 ショーウィンドウに次から次へと僕の姿が映っていく。少し先のショーウィンドウには僕は映ってない。 そのウィンドウ越しに路上を見るが僕の半径1Mには人っ子一人いやしない。目すら合わせてこない。 何事だろうか。いぶかしんで、肘、頭、口元辺りを順々に点検する。なんともない。正常だ。 その点検する仕草を見たのだろう、ずっと向こう側から迫る背広の男や、反対の歩道から僕を見やる皺っくちゃの老婆は、うわっとかまぁっといった風な形に口を開き死に掛けのセミにぶつける視線でもって僕を不安にしてくれた。 いいかげん理由が知りたい。それほどひどい顔じゃないだろうに、なぜ僕をそんな目で見る。 ウィンドウが途切れて横道に差し掛かった。のだが
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