東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、計画の安全性を検証してきた国際原子力機関(IAEA)は4日、放出計画は「国際的な安全基準に合致する」との包括報告書を公表した。ただ、中国や韓国など周辺諸国からは反発も予想される。日本政府は科学的な根拠を基に、粘り強く理解を求めていく構えだ。 福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、諸外国から安全性への理解を得ようと、政府が情報発信を強化している。近隣の中国や韓国が非科学的な批判を繰り返し、政治利用しているためだ。だが、中韓には、放射性物質トリチウムの年間排出量が福島第1の6倍を超える原発もある。政府はこうした客観的な事実も対外的に示しながら、諸外国に冷静な対応を求めている。 福島第1のトリチウムの年間排出量は事故前の管理目標と同じ22兆ベクレル未満を予定する。濃度を国の規制基準の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈