コロナワクチンの接種完了は国民の2%。2カ月前に開始できていれば、11兆円のGDPが失われずに済んだ。「ワクチンができるから五輪延期は1年でいい」。“根拠なき楽観”の官邸に、我関せずの無責任大臣。ワクチン敗戦は人災だった――。 1年前の6月14日。安倍晋三首相(肩書きはいずれも当時)はネット番組で、新型コロナへの対応について饒舌に語っていた。 3月にコロナに感染した野球解説者の梨田昌孝氏が、「ワクチンができてくればいいんでしょうけど」と語る。その言葉に、安倍首相が敏感に反応した。 「日本でも、開発研究を進めています。アメリカではモデルナ社がスピード感をもって進めている。すごく早ければ年末くらいには接種できるようになるかもしれない。アストラゼネカも、スピード感をもって開発が進んでいる。日本は、それぞれ交渉をしておりまして、完成した暁には確保できるように交渉しております」 この発言は、ある意味