学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、自殺した近畿財務局職員の遺族が国などを提訴した。遺族が公表した手記には、命令に逆らえず改ざんに加担させられた、一人の公務員の苦悩と後悔が克明につづられている。なぜ改ざんが行われ、どうして彼は命を絶ったのか。問題の核心を語らずに退場した佐川宣寿・元国税庁長官に、遺族は法廷で真実を語るよう訴えている。【松本紫帆、山本康介】 自殺した赤木俊夫さん(当時54歳)の手記によると、最初に改ざんさせられたのは2017年2月26日。日曜日に上司から呼び出された。翌月にも改ざんの指示があったが「相当抵抗」し、近畿財務局の幹部にも相談。しかし財務省理財局からの強い要求で、書き換えが繰り返されたという。