国際勝共連合はその名称が示すように、徹底した反共産主義を掲げる右派・保守系の団体だ。ただし、同連合の主張内容に韓国への批判は見当たらない。主だったものは中国共産党への批判だ。韓国発祥の教団関連機関だけあって中国の批判はしても韓国の批判はしない。なぜ、そのような組織が日本の保守界隈と連携しているのかと疑問を持つ人は多いだろう。その疑問は、これまでの日韓関係を少し遡るだけで氷解する。 現在の反韓・嫌韓感情が渦巻く保守界隈の空気感とは異なり、日韓両国は1990年代以前には「反共の同志」として良好な関係にあった。米CIAの後ろ盾のもとで「北朝鮮の共産主義に打ち勝って統一/勝共統一」をスローガンに反共活動組織を必要としていた朴正煕政権(1961~79)の庇護を受けるため、統一教会の文鮮明教祖は、便宜的に反共産主義を掲げて朴大統領に取り入った。 文は67年に山梨県の本栖湖畔で行った戦後右翼の大物らとの