政府と民間がお金を出し合い、成長を期待する企業に投資する「官民ファンド」のうち、二〇一二年の第二次安倍政権発足後にできた十ファンドの損益を積み上げると、一八年度末で計三百二十三億円の赤字であることが分かった。安倍晋三首相は国会で「全体で五千八百億円の利益」と強調したが、この金額は政権発足前から続くファンドの業績も含めたものだ。 (大野暢子) 首相は十五日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫氏から、一部のファンドで損失が積み上がっていると指摘された。首相は「指摘を受け止めなければいけない」としつつ「五千八百億円の利益を上げ、全体としてはプラス」と反論し、官民ファンドは「成長戦略に資する」と強調した。