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ブックマーク / sportiva.shueisha.co.jp (3)

  • 集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva | ドロップアウト | 茂庭照幸

    強運を引き寄せてきたサッカー人生 暑さが和(やわ)らいできた初秋の折り、男は東京都足立区にある舎人(とねり)公園陸上競技場にいた。Jリーグの若手選手中心で行なわれるサテライトリーグの一戦が間もなく始まるところだった。スタンドは満席でも、入場者数は1750人。5万人を収容するトップチームの競技場とは比べるべくもない。芝生も凹凸が目立った。試合前のアップ、彼が蹴ったボールは明後日(あさって)の方角に飛んでしまう。軽く舌を打ちし、恨めしげに芝を踏みしめた。 スタンドに陣取った客のひとりは、その仕草が癪(しゃく)に障ったようだ。 「ピッチのせいにすんなー。下手くそなキックしやがって! だからサテなんだよ」 観客の辛辣(しんらつ)な反応は、その選手に対する期待の裏返しでもある。 男は24歳の若さでワールドカップのピッチに立っている。それはあらゆるサッカー選手が憧れる舞台だ。以来3年、脂がのった年を迎

    happyfish
    happyfish 2009/12/01
    ドロップアウト???
  • 集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva | ドロップアウト | 金古聖司

    「僕はプロサッカー選手ですよね?」 南国特有の雷雨が、何かを訴えかけるように激しく地面を叩くと、たちまちアスファルトに水溜まりを拵(こしら)えた。短気で飽きっぽい雨雲が15分足らずで立ち去り、入れ替わるように灼熱の太陽が顔を出す。太陽は雨雲の尻ぬぐいでもするように地上を乾かし、辺りにはうんざりするような熱気と湿気が充満した。赤道近くに位置し、年中高温多湿のシンガポールという国で、それはありふれた光景だった。 2009年春。短パン、Tシャツ姿の彼は自転車で練習場へ向かうところだった。 「中学の部活かよ」。自分に突っ込みを入れながらペダルを強く踏み込むと、噴き出してきた汗で洗い立てのシャツがぐっしょりと濡れた。マイカーを持たなかったのは暮らし始めて間もないのもあったが、自動車税が目をむくほどに高く、自転車で十分事足りたからだ。試合の日は自宅近くの停留所でバスを捕まえて集合場所に向かう。日では

  • 集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva | ドロップアウト | 佐藤由紀彦

    ベテランの受難が続くサッカー界で 現役にこだわるのには理由がある。 かつての人気者は、弱音を吐く こともなく、胸を張った。 Sportivaのノンフィクション連載が復活! 2008年12月、仙台。外は底冷えする寒さで、通りを歩く人々はコートの襟を立てて背筋を縮こませていた。店内には欲をそそる牛タンの焦げた匂いが香った。 「体がぼろぼろになるまで、ボールを追えなくなるまで、オレはサッカーをやりますよ。せっかくサッカー選手をやれたのに、中途半端で終わったら罰が当たる。だから現役にこだわっているんです」 彼は鳥龍茶を飲み干すと一気に捲し立てた。 2008シーズン限りでJ2ベガルタ仙台から戦力外通告を受け、来季の所属先が決まっていなかった。仙台ではスーパーサブとして終盤に投入され、決勝点をアシスト。それは必勝パターンだった。関係者は「彼のピンポイントクロスは絶品。勝ち点15は稼いだ」と活

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