フィリピン人不法入国の仕組み 日系人と偽って不法在留したとして警視庁などに逮捕されたフィリピン国籍の12人の一部が、在マニラ日本総領事館元職員の比人男性が不正発給した短期滞在査証(ビザ)のある旅券を持っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。同庁などは、比人の不法在留に絡んで日本国内にいるブローカーやNPO法人理事らを逮捕。背後に日比両国の密入国組織があるとみて、全容解明を進めている。 外務省によると、元職員は30代。昨年7月〜今年7月に発給した男女97人のビザについて申請書類が総領事館に残っていなかった。元職員は9月、ビザを不正発給したとして懲戒免職となり、その後、所在が分からないという。 捜査関係者によると、総領事館のパソコンに、元職員がビザを発給した比人男女の氏名、生年月日、ビザの有効期限などの記録があった。同庁と茨城、広島県警などは今年7月、比国籍の25〜50歳の男女12