【北京=坂尻顕吾】新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチの騒乱をめぐり、北アフリカに拠点を置く国際テロ組織アルカイダ系のグループが中国人らを対象に「報復」を宣言したと15日付の中国紙が報じた。北アフリカには出稼ぎ労働者など数十万人の中国人が滞在しているとされ、騒乱が「中国対イスラム」の構図へ広がることに懸念が高まっている。 報復宣言は、英字紙「チャイナ・デーリー」と中国共産党機関紙・人民日報系の国際情報紙「環球時報」がいずれも1面で取り上げた。報道によると、この組織はアルジェリアに拠点を置く「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」で、ウルムチの騒乱でイスラム教のウイグル族が多数死亡した報復として、アルジェリアで働く約5万人の中国人と中国が北アフリカで展開する企業プロジェクトを標的にすると宣言したという。 両紙はともに「アルカイダ系組織が中国を直接威嚇したのは初めて」と指摘。専門家の