鉄道の駅のホームから時刻表が姿を消しつつある。西武鉄道では管内で3駅を残すだけとなった。今春、鉄道各社の多くが運賃を引き上げただけに、本紙「ニュースあなた発」には、読者から「運賃を値上げしてサービスを下げるのか」との不満の声が寄せられている。(須藤恵里) 鉄道の時刻表 1872(明治5)年、新橋—横浜間に日本で初めて鉄道が開業したときから駅に掲示していた。国の鉄道運輸規定では「鉄道ハ停車場ニ(中略)旅客列車ノ出発時刻表ノ摘要ヲ掲示スベシ」と駅での設置を義務付けている。「日本鉄道史 幕末・明治編」(中央公論新社)によると、時刻表通り規則正しく運行するために、鉄道開業に伴い西洋式の定時法を導入し、日本人の時間感覚を大きく変えたという。