スタジオジブリが1994年に制作した長編アニメーション映画『平成狸合戦ぽんぽこ』。高畑勲監督が原作・脚本・監督を務めた同作品は、どのような経緯で生まれたのだろうか。ここでは、鈴木敏夫氏の責任編集のもと、スタジオジブリの40年の軌跡を記した『スタジオジブリ物語』(集英社新書)より一部を抜粋・再編集して紹介する。 『平成狸合戦ぽんぽこ』 © 1994 畑事務所・Studio Ghibli・NH ◆◆◆ 「豚」から「タヌキ」へ TVスペシャル『海がきこえる』に続き、新スタジオで初めて制作されることになった劇場用作品は『総天然色漫画映画 平成狸合戦ぽんぽこ』に決まった。 『平成狸合戦ぽんぽこ』のパンフレットに「鈴木プロデューサーが語る『平成狸合戦ぽんぽこ』 企画からシナリオ着手まで」と題されたインタビューが掲載されている。 それによると『平成狸合戦ぽんぽこ』の企画の源流は、1989年まで遡ることが