「日本産の品質の良さを理解してほしい」。中国のナマコ加工会社の総経理(社長)、方さん(32)は、手製の地図を片手に福島から放出された処理水の影響が日本海側には及ばないことを力説していた。交流サイト(SNS)には「汚染水は3年後に北太平洋を覆い尽くす」と主張する動画が流れ、多くの中国人消費者が日本産品全体に不安感を抱いているためだ。 同社は2005年に北海道に工場を設立し、道産ナマコを中国に届けてきた。健康ブームで中国のナマコ需要は増え、22年には日本から中国への農林水産物・食品の輸出額で6番目の79億円に上った。「北海道産はトゲが6列あり、4列の大連産より価値が高い。2倍の価格で売れる」と明かす。ただ24日に禁輸措置が発表されると「中国に出す在庫が日本に5トンもある」と嘆いた。