「母親というのは社会のものであって個人的な存在ではないと感じた」と語るのは、2003年に『蛇にピアス』でデビューし、同作で翌年の芥川賞を受賞した作家・金原ひとみさん。金原さんは鮮烈なデビューを飾ったあと、2007年と2011年に出産し、作家活動と並行して取り組んだ子育てで、助けを求められない状況にもがいた。当時の苦しさやフランスでの生活などを経て今感じること、“母親幻想”に苦しめられている当事者に伝えたいことを聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice) ――朝日新聞のコラム『母の仮面が苦しいあなたへ 「自分」は今もそこにいる』では、母というペルソナに苦しんでいる金原さんご自身の経験や葛藤が話題になりました。どういった苦しみが大きかったのでしょうか? 金原ひとみ: 第1子を出産したときに、世界が変わる感じがしたことが最も苦しかったです。 私はもともと小学校や
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