September 19, 2009 内井先生からのコメントと伊勢田のリプライ 先日のメモに対して内井先生からお返事をいただきました(ありがとうございます)。許可をいただいたので、私信部分をのぞいて転載するとともに、わたしからのお返事をそのあとに書きます。 『単なる「多様性増加」ではなく「分岐」の原理である以上、ここまでふくめて「分岐の原理」のような気もするし、内井先生のイラストレーションも実質はそうなっているわけであるが、他方ダーウィン自身の定式化には中間的な変種の絶滅は含まれていない。 あと、現代のフィンチの研究の例がダーウィンの分岐の原理の実例だというのは疑問がある。内井先生の分析では、分岐の原理の大前提はある種が生息可能な上限を超えて増えようとしている、という状況設定だったはずだが、フィンチの例は単にそれぞれの環境にあわせて自然選択が働いた例ではないか(だったらウォレス流の形質分岐