『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督と『告白』『渇き。』の中島哲也監督。このふたりは、どちらもCM出身の注目の映画監督ですが、吉田監督は「中島さんと並べられるなんて、恐れ多いからやめてほしい」と、言います。 私は編集・ライターの仕事をする以前にCM制作会社で働いていたことがあって、吉田監督とは10年ほど前にTV-CMを一緒に作ったことがあるのですが、現場での監督は、10 代の子役の演技指導を的確に行う姿が印象的でした。そんな監督が若き青年たちを主人公とする『桐島、部活やめるってよ』でアカデミー賞を受賞したときは、CMでも映画でも、優れた監督の演出術は業界をこえて評価されるのだなと、うれしい気持ちになりました。一方で、CMディレクターが映画監督として何本も作品を撮り続けるのは、とても難しいことだと言われています。そんな中、どうして吉田監督は映画を撮り続けることができるのか。宮沢りえさん主