「物差し」と「目盛り」 職務評価とは、職場の仕事を分析し、その職務に点数を付けることで、仕事の価値や分布などを客観的に表示するための仕組みです。 日本では長い間、「職務」ではなく、従業員の「能力」に関心が集中し、職務を賃金や要員管理などとリンクさせる視点が弱かったと思います。そのため、職務の概念があいまいで、職務を処遇決定の軸の一つに据える制度を導入するにしても、その手前の段階です。まずは職務について労使が納得できる概念や基準をつくることが大事です。 職務評価を行うためには、職務を点数で表示するためのいわば「物差し」と「目盛り」が必要です。 「物差し」には次の4要素があります。「負担」「知識・技能」「責任」「労働環境」の四つです。これらは国際労働機関(ILO)でも用いられる基準です。 この四つの要素を産業や企業に合わせてさらに細分化し、小項目をつくります。私は2013年に、三つの生活協同組
![特集「職務評価を行う意義とは? 実例でわかったことから学ぶ」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/38a33d85f651f22695dd7b9ad62defb01d224d0f/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fictj-report.joho.or.jp%2Fimages%2F2012_sp06_main.jpg)