このくだりは、「強制連行などなかった」ということを主張する中で出てきます。つまり、「日本渡航を望んでいた朝鮮の若者は多かったのだから、わざわざ無理強いして日本に送り込むことなどしていない」と主張しているのです。 この主張は正しいと言えるでしょうか。ちょっと立ち止まって、当時の状況をさまざまな角度から考えてみましょう。 まずは、日中戦争から太平洋戦争へと続く時代に、日本で働くことを希望していた朝鮮人が多く存在していたというのは本当でしょうか。 実は、それ自体は間違いのない事実です。 就労目的の日本渡航には「足がかり」が必要だった 特高月報や朝鮮総督府などの文書を見ても、そのことは明らかです。たとえば、朝鮮総督府警務局が発行していた『最近に於ける朝鮮治安状況』(1939年)では、日本渡航のための証明書を申請した朝鮮人数の統計がまとめられています。それによれば、33年には30万53人、38年でも
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