白い花にはアントシアニンやカロテノイドのような赤や黄色の色素は含まれていません。また、白色の色素が含まれているわけでもありません。白く見えるのは、花弁に含まれている小さな空気の泡(気泡)が光を反射するためです。 白い花にもフラボノイドと呼ばれる「無色」の色素が含まれています。フラボノイドは可視領域の光をすべて吸収してしまうので人間には無色に見えますが、紫外領域の光を反射するので昆虫の目には色がついてみえます。昆虫は可視領域だけでなく、紫外領域の波長の光も色として認識できるからです。花粉を運んでくれる昆虫に認識されないと子孫を残すことが出来ず、やがて淘汰されてしまうので、自然界にはフラボノイドを含む色素化合物を全く蓄積していない、虫にとっても白く見える純白な花はほとんどありません。しかし、園芸品種では、トルコギキョウやカーネーションなどで純白な品種がまれに存在します。 花弁にカロテノイドが貯