国内の風力発電会社が海外で洋上を含めた風力発電事業の展開に活路を求め始めた。発電に適した土地が少ない上に、耐震基準の厳格化により建設コストの増加を招き、国内での新規立地が難しくなっているからだ。Jパワー(電源開発)は海外を視野に、千葉県や静岡県沖合を候補に洋上風力の実証試験に向けた事前調査に乗り出す。東京電力と豊田通商が出資するユーラスエナジーホールディングス(東京都港区)は、英国に照準を定めて洋上風力への参入準備を進めている。 Jパワーは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託で、北九州市若松区の沖合で、洋上風力発電を建設した場合の海流や構造物への影響などを調べている。海外で実際に事業をするには、豊富なデータが必要になると判断して、これに続く第2弾の実証実験に乗り出す。 ◆共同で開発権取得 洋上風力は遠隔操作のための電力制御技術など高い技術が求められること