Tweet [第15回]『たまこまーけっと』柔らかに描き出される時間と人々 『たまこまーけっと』を見始めた多くの人は、同じメインスタッフが手がけた『けいおん!』をどこかに念頭において見始めたのではないか。作り手もそれを意識していたのか、第1話のトップシーン、主人公のたまことその友達が3人で手をつないで駆けている様は、ちょうど『映画けいおん!』のラストで駆けだした唯たちとまるで地続きのような印象を与えた。 だが『たまこまーけっと』は、そんな『けいおん!』から続く印象を、すぐさまするりとぬぐい去る。その最たるものは、コメディリリーフにしてストーリーの鍵を握る(と思われる)、トリのデラ・モチマッヅィの登場なのだが、この特異な存在についてはまた後ほど触れることにしよう。 では『けいおん!』から『たまこまーけっと』で何が変わったのか。 当たり前だが、画面に映るものが変わった。具体的には、作品が捉えよ