クライアントの女性と彼女の自宅の改修について話していた。 妙齢の、美人の女性であり、人懐こい笑顔にこちらとしても随分と好感を持っていた。 場所は彼女の自宅で、昼下がりにはほかに誰もいない。 もともと、中古住宅らしくくたびれた一軒家だが、改修を任せてもらう以上は期待以上の働きをする自信もあった。 僕はリビングの机に持参した図面を広げ、要所要所を説明する。 安い仕事ではない。 丁寧な打ち合わせがその後の進捗をスムーズにするので僕は彼女の家に頻繁に通っていた。 その日は、旦那もいるはずだったが、急な用ができたとかで家を空けていた。 仕方ないので、その日は彼女が主に使用するというキッチン周りに絞って要望をまとめることにして話している最中だった。 と、彼女は立ち上がり、僕に背を向けた。 そしてゆっくりと壁を撫でた。 「この辺に採光用の窓があったらうれしいな。開かないやつ」 「はい、大丈夫ですよ。ハメ