菅直人元首相の実像 先にことわっておくが、私は菅直人元首相の40年近い「知人」である。菅直人事務所で働いていたこともある。 菅元首相が原発事故について書いた『東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと』 (幻冬舎新書)も手伝ったので、事故についても、普通の人よりは知っているつもりだ。 その上でこの映画について書けば、事故の事象は、「事実」に即していると思う。これまでに読んできた他の文献との食い違いは、なかった。 だが、「総理大臣」の描き方は、何か意図的に「事実」を歪曲、あるいは無視している。 宣伝資料によれば、撮影を見学に来た吉田所長をよく知る人たちが、渡辺謙演じる吉田所長を見て「そっくり。後ろ姿は本人かと思うほどで、のりうつったかのようだ」と言ったそうだが、菅直人元首相をよく知る私には、この映画の「総理」は、「全然、菅さんに似ていない。まるで別人」に見えた。 顔が似ているとか似ていないで
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