顔がすぐに赤くなるお酒に弱い体質の人が飲酒と喫煙をすると、食道がんになるリスクが、飲酒も喫煙もしない人に比べ、最大190倍も高くなることが、東京大学の中村祐輔教授と松田浩一助教の研究でわかった。 同じ体質の人でも、飲酒・喫煙をしないと、リスクは7倍程度に下がった。体質を理解して生活習慣に気を配ることで、予防したり、早期発見したりできると期待される。 研究チームは、食道がんの患者1070人と健常者2832人で、約55万か所の遺伝情報の違いを比較。発がん性が指摘されているアセトアルデヒドをアルコールから作る酵素と、アセトアルデヒドを分解する酵素の二つが、食道がんのリスクに関連していることを突き止めた。 アセトアルデヒドはお酒で気分が悪くなる原因物質で、たばこの煙にも含まれる。顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドの分解能力が弱いためで、日本人の4割がこのタイプ。アセトアルデヒドを作る働きが弱いと、