政府の総合科学技術会議は、年間3000万円以上の国の研究資金を獲得する研究者に、一般向けの講演会や小中学校での出前授業などを事実上、義務化する方針を決めた。 「事業仕分け」などで科学研究の成果が見えにくいという批判が相次いだのを受け、第一線の研究者自らが啓発活動に取り組む制度を構築する。 講演や出前授業などの活動実績を研究プロジェクトの中間評価や事後評価の対象にする。該当する研究者は約3500人。研究者の負担を軽減するため、大学や研究機関には、地域との連携などの支援体制を取るよう求める。 今後、募集を始める研究費の公募要領に盛り込み、来年度から本格実施する。内閣府の津村啓介政務官(科学技術担当)は「科学技術のすそ野を広げ、予算を増やしていくには、国民とのコミュニケーションは避けられない」と話す。