EU加盟国に深まる溝 9月14日、欧州委員会の委員長ユンケル氏が、欧州議会において、EUの現状をテーマに基調講演を行った。EUは、その翌々日16日に、首脳会合を控えていたため、いわばその地ならしである。 居並ぶEU議員を前に、「EUの溝はかつてないほど大きく、存続が危ぶまれるほどの危機状態である」とぶったユンケル氏。しかし、聞いている議員たちは、「だったら皆で頑張ろう」とはならず、「そうそう、その通り」と言わんばかりに白けていた。 欧州委員会というのは、EUの政策を実行する機関、いわば「EUの政府」だ。その長であるユンケル氏は、もちろん強大な権力を握っているが、彼自身の巷の評判はあまり良くない。結局、議員たちの士気は鼓舞されず、拍手パラパラ。 しかも同日すぐ、大手経済誌 WirtschaftsWoche のオンライン版に、この講演についての辛辣な批判が載った。タイトルは「もはやユンケルはふ