昨年の東京五輪・パラリンピックでは組織委が過去最高の3700億円の協賛金を集めた。五輪に疑惑の目が向けられる中、選手たちは沈黙したままだ 五輪汚職事件が明るみに出る中、選手やスポーツ界は沈黙を貫いている。元ラグビー日本代表で、神戸親和女子大学教授の平尾剛氏は諸問題の原因は選手にもあると言う。「五輪汚職」を特集したAERA 2022年10月3日号の記事を紹介する。 【写真】平尾剛氏はこちら * * * ──コロナ禍での開催の是非をめぐって世論が二分する中、無観客で強行開催された東京五輪・パラリンピック。開催前にも、メインスタジアムの国立競技場建設計画が巨額費用の問題視により白紙撤回され、公式エンブレムは盗用疑惑で使用中止に。さらに大会組織委員会の会長だった森喜朗氏が自身の女性蔑視発言の責任をとって辞任するなどさまざまな問題が噴出した。そして開催から1年たったいま、汚職事件が次々と発覚し、