そもそも日本文化は、世界的に見て、成り立ちが極めて特殊である。欧州から、イスラムから、インドから、そして中国、朝鮮半島から、あらゆる文化が東の果ての日本にたどりつき、行き止まりの地でごった煮となって発酵して、世界のどこにもない独自の文化に生まれ変わった。そして、その文化が今度は世界中に発信されていく。 ジャポニズム以来、多くの海外の芸術家が日本文化に魅せられてきた。ニューヨーク近代美術館が永久コレクションを収蔵するデザイナー・現代美術作家、アレクサンダー・ゲルマン氏も日本文化に深く魅せられた1人である。 ゲルマン氏は『ポストグローバル~スーパーデザイナーが見る日本』を著し、ユニバーサルな政治経済モデルが行き詰まりを見せる中、日本文化こそがこれからの世界において重要な役割を果たしていくと訴える。 日本の伝統工芸職人は世界最高 ──どうして日本文化に興味を持つようになったのですか? ゲルマン