ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション5」は、2020年11月の発売直後から深刻な品薄と価格の高騰が続き、その大きな原因となった「転売」には当時から批判が寄せられた。 大手家電量販店では「自社発行のクレジットカードでのみ購入可能」とする対策も取られた。これに対し一部の転売グループは、購入可能なカードを持っている第三者に報酬を支払いPS5を買い取る「代理購入」という手段に出た。 本記事では、フリーライター奥窪優木氏の著書『転売ヤー 闇の経済学』(新潮新書、2024年)から、ある学生が代理購入バイトを通じて転売の世界に足を踏み入れるまでの経緯を描いた箇所を抜粋して紹介する。(本文:奥窪優木) ある日届いたメッセージ 「秋葉原のヨドバシカメラに9時までに来れますか?」 都内に住む男子大学生SがそんなLINEのメッセージで目を覚ましたのは、2022年3月下旬、土曜日の朝7時半のことだった。授業

