「記録なんて後からついてくるもの、僕は気にしていませんよ」プロ野球選手は大体そういう。 自分の記録に汲々としている印象は格好良くない。どんなにすごい記録がかかっている選手でも「チームの優勝のため」、「ファンのため」と言うのがお約束だ。 でも、自分の記録に本当にこだわりがなければプロとは言えない。プロ野球は数字で評価されるし、年俸だって数字で決まるんだから。 「記録は気にしない」と言っている選手の本音が、はしなくももれることがある。その1つが「終身打率」にかかるケースだ。 通算868本塁打の世界のホームラン王、王貞治は1980年、セ・リーグ4位の30本塁打を打ちながら、引退を表明した。本塁打はともかく、打率が規定打席以上で最下位(30位)の.236に沈んだからだと言われている。 しかし事情はもう少し込み入っていた。王の終身打率は9250打数2786安打の.30119。もう1年現役を続