朝起きたら寝汗をぐっしょりとかいていた。 これが一晩ならいい。毎晩続くのだ。 寝るのが本当に怖かった。あっという間に寝不足になった。 骸骨のように痩せて、顔色が粘土のようになった。 医者や霊能者に診てもらったのだが、原因はまったくわからない。相変わらずのたうち回る夜が続く。 だから両親も痩せた。 二人の方がよっぽど病気じゃないかと、俺が思ったくらいだ。 前述したように、俺は2,3週間で救われるわけだが、 恩人となったのは、霊能者でも坊主神主神父牧師でもなかった。 当ててみそ。絶対当たらんよ。 正解は『催眠術師』である。 催眠術師つってもアマチュアのおっさんなのだが、 父が軽い恐怖症を簡単に治してもらったことがあるらしく、その縁で俺も診てもらうことになった。 「催眠術師なんぞ」と思っていたが、俺は父に似て暗示にかかりやすいたちだと判明した。 その人がとった作戦は、俺に悪夢を忘れさせることだっ