カギ見当・引き付け見当は、板目木版の制作において摺りの際に紙を正確な場所に置くための目印として、版木に彫り込むカギ型と一文字型の見当のことです。 カギ見当は、版木の右側の下部に彫られる“L”型(カギ型)の見当のことを指し、引き付け見当は、カギ見当から左側の紙の余白部分を含めた2/3程度の位置に彫られる “-”型(一文字型)の見当のことを指します。摺りの際に、両手の人差し指と中指を使って紙を挟み持ち、右手で持った紙の右端の角をカギ見当に引っかけて親指で押さえ、左手で持った紙の底部を引きつけ見当に引っかけて、親指で押さえながら、紙を静かに版に落として摺りを行います。このようにカギ見当と引き付け見当を使用することで、紙を正しい位置に置くことができ、多版を使用する場合にも色ズレ、版ズレを防ぐことができます。 見当を彫る際には、まず、作品のイメージサイズと余白(マルジュ)を計算し、版木に直接書き込み