ドイツの若き天才と言われる哲学者、ドイツ・ボン大学のマルクス・ガブリエル教授が来日し、國分功一郎氏と「民主主義」について語り合った。対話を経て、國分氏は哲学者であることの意味を改めて考えさせられたという。氏が対談を振り返り、いま日本で民主主義について考える際の勘所を論じる。 「価値」と「知識」の重要性 先日、日本を訪れていたドイツ・ボン大学教授で哲学者のマルクス・ガブリエル氏と、公開の対談イベントを行う機会があった。氏は世界的なベストセラーとなっている『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)で日本でもその名を知られつつある。 10日ほどの滞在だったとのことだが、本人に聞いてみると恐ろしいほどの過密スケジュールであった。スケジュールの合間を縫って、このような機会に臨んでくれたガブリエル氏にまずは心からのお礼を言いたい。なお当日の模様はかなり詳細に朝日新聞デジタルで紹介されているのでぜ