香港の市民デモや集会は一向に収束する気配を見せない。空港から駅、街頭まで多発デモが常態化し、航空便の欠航や鉄道・バスの運休が相次ぐなかで、国際金融センターである香港は未曾有の混乱に陥り、今なお情勢が混迷を深めている。世界が注目している「香港問題」の本質とは一体何であろうか? 「黒い手」の存在 初期のデモは、刑事事件の容疑者を香港から中国本土へ引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案に抗議するものだったが、徐々に中国政府への反発が表面化し、民主化を求める抗議に変わってきている。 8月9日から香港国際空港内で行われた座り込み抗議を見ると、「光復香港、時代革命Liberate HK, Revolution Now」のスローガンが打ち出されていた。「革命」とは、決して穏やかな話ではない。むしろ、単なる一法案への抗議を超えているように思える。 香港初代行政長官・董建華氏は7月31日、今回の抗議活動に