キリスト教は書物指向の宗教であり、特定のテキストを権威ある聖典として強調してきた。だが実際には肝心のテキスト自体は改竄され、写本の内容はてんでばらばら、それも時には極めて重要な点で異なっている。 福音書によれば、イエスの弟子たちのほとんどはガリラヤ出身の単純な無学者だった。例えば無教養な漁師とか。なかでもペトロとヨハネのふたりは、『使徒言行録』の中でズバリ「文盲」と書かれている。 ●聖書の成立当初は印刷術はなく「写本」の世界。写本には誤記が付き物。いきおい古今世の中には恐るべき数のバージョン違い聖書が蔓延していた! 下で紹介している『書物としての新約聖書』や 『日本人のリテラシー』 との読みあわせがオススメ 聖書学の面白さはマクグラスの『キリスト教神学入門』とかいうたいへんな教科書の邦訳があるのだが、多少変化球どころではバート D. アーマン『捏造された聖書』、『破綻した神キリスト』を読ん