9人が死亡した山梨県の中央自動車道上り線・笹子トンネル崩落事故で、中日本高速道路(名古屋市)が管理する同型トンネル5本のうち、ハンマーでたたいて内部の劣化を調べる「打音検査」を行っていなかったのは笹子トンネルの上下線だけだったことが4日、同社への取材で分かった。 中日本高速は「天井が高くて手が届かず、目視点検で済ませていた」と釈明するが、内部の腐食など目視では分からない異常が見逃された可能性がある。 県警大月署捜査本部は、同社本社や保守管理を行う関係会社など計6カ所を捜索し、工事関係書類など550点を押収。5日以降もトンネル内で検証を続け、天井板を支える「つり金具」とトンネル最上部の接続部分などを重点的に調べる。 つり金具は、トンネル外壁にアンカーボルトを打ち込んで固定している。同社によると、天井板から接続部までの高さが低い他のトンネルでは打音検査でボルトの状態を調べていたが、笹子ト