米Microsoftは3月第4週の終わりに,Windows部門のトップ交代を発表した。Office部門を長く担当したSteven Sinofsky氏をWindows部門に移し,Windows Vista後の計画立案を任せる。筆者はSinofsky氏に会ったことはない。極めて有能な人物との評判だが,Windowsの担当者としては適任だとは思えない。今回の再編は,この数年間にWindows部門の直面した問題からMicrosoftが何も学ばなかったことの証しと言えるだろう。 現在のMicrosoftは過渡期にあり,いまだWindowsおよびOfficeという「ドル箱」に頼っている。WindowsとOfficeは,いずれも巨大で融通の利かない一枚岩(モノリシック)のソフトウエア製品である。ソフトウエアがフロッピ・ディスクで販売されていた時代に初めて登場し,それ以来,徐々に進歩を続けてきた。Offi