現代中国語の中型辞典としては最も権威的であり、幅広い読者層を持つ『現代漢語詞典』(中国社会科学院語言研究所詞典編輯室編、商務印書館)。 その7年ぶりとなる改訂の第6版がこの夏に出版され、収録語彙の大幅増などが話題となっているが、一方で「漢字のローマ字化に反対する」「言葉の純潔さを守ろう」として内容に異議を唱える声が出ている。 翻訳家の江楓氏ら100人余りの有識者たちが先ごろ連名で、中国当局(国家新聞出版総署、国家語言文字委員会)に宛てて意見書を送ったもの。当局の明解な答えはまだ出ていない模様だが、1978年の刊行から34年、改訂を重ねた権威的辞典にどんな“欠陥”があったというのか? ■語彙は6万9000余りに増加 第6版の目玉の1つが、親文字や語彙の大幅な追加収録。第5版に比べ新たに600余りの親文字と3000余りの語彙が加えられ、親文字は計1万3000余りに、語彙は計6万9000余りにそ