前編はこちら。 ──これまでも原作がある作品を映像化する際に問題があったことはありますか。 【出崎統】『ベルサイユのばら』をやったときに原作ファンから、先生の原作をこんなにするなんてひどい、というお電話はありましたよ。何年か前、ちばてつや先生にお会いしたときに「ぼくはマンガでしたけど、出崎さんには出てきたばかりのアニメーションのなかで『あしたのジョー』の世界を広げていっていただいて、いっしょに作りましたよね」と仰っていただいて驚きました。昔はそういう認識だったんですよね。 ──そこに時代の変化を感じますか? 【出崎】その変化は、いいことではないと思う。アニメーションとしての誇りを持ちたい。たとえヘタでもね、決して何かに追従してやっているのではない、自分たちの仕事をしているというかたちでいたい。人気マンガを映像化しました。このセリフはちがうじゃねえかと言われる。ぼくはそういう仕事はできないな
![「人間を甘く見ている」巨匠・出崎統が”萌え”を斬る!(後編)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ef7f7086e8be3543037a3aac24d113e124ff002a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.cyzo.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2019%2F06%2Fcyzo_logo.jpg)