権力の中枢である米ワシントンは、決して平穏な場所ではない。中世の時代に農民などの庶民が騎士たちの一騎打ちを楽しんで見物したように、現代も政界という名の「村」における権力者たちの対立をロビイストやコンサルタント、嫌われ者のジャーナリストたちは注視している。過去も今も彼らが目にしたがっているのは、権力者が対立相手を泥の中に叩き落とす様子だ。 それだけに米国の首都でトランプ大統領の側近がこれだけ対立しているというのは、興奮せざるを得ない。ここ何週間もスティーブン・バノン首席戦略官・上級顧問とジャレッド・クシュナー大統領上級顧問という2人の権力者が、報道陣へのリークやブリーフィングを通してつばぜり合いを繰り返している。 観衆にとって面白いのはクシュナー氏が大統領の娘婿という点だ。少年っぽさを残すハンサムな彼は、米不動産王の最有力の跡取り候補であり、かつ民主党への大口献金者としても知られ、トランプ氏
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