おんな地主は一体何を返してもらったというのか。 建物の所有者はなにか返すものがあったのであろうか。問題となっている家は彼女が建てたものではないから建物ではないはず。 あの得体の知れない鍵を返せというのだろうか。そんなことは一度も彼女は言わなかった。実はこの鍵こそが事件の要だったことが最近わかったのだけれどこれは書くことができない。 父がなくなって以後、地主は一度も地代の請求をしてこなかった。だから、あの倉庫は全て私達のものだと理解していた。何しろあの倉庫は父が所有していた不動産のうちでは一番小さいものであったので私達も特に重要視はしていなかった。只、父があれほどあの倉庫にこだわったのが解せなかった。 地主はあの倉庫の中に自分の私有物が入っていると言うが、それを証明するなにかがあるのだろうか。当方には、この写真に写っているように会社の資材が入っていたし、この重い鉄板の台もたくさん入っていた。