ここ数年、「ライト文芸」と呼ばれるジャンルが、頭角を現している。 書店では「ライト文芸」「キャラクター文芸」「ライトノベル文芸」と言い方はまだ定まっていないが、ひっくるめて言えばキャラクターを主体にした“ライトノベル以上大衆小説未満”な立ち位置にいる小説のジャンルのことである。 中高生をターゲットにしたライトノベルは卒業したけれど、お堅い大衆小説もまだがっつり読みにくい。そんな人たちに向けて、キャラクターをビジュアライズし分かりやすく感情移入できるようにした小説群……それがライト文芸というジャンルだと、筆者は考えている。 そこで本稿では、そんなライト文芸がどうして生まれたかと、現在どのようになっているかについて記していきたいと思う。 文:羽海野渉=太田祥暉(TARKUS) 編集:新見直 目次ライト文芸勃発前夜メディアワークス文庫の創刊へ一般文芸のライトノベル化ライトミステリのヒットもう一つ