――そもそも『逆襲のシャア』の企画はどう始まったのでしょうか。 今では、具体的な発端は覚えていないんです。ただ大前提として『機動戦士ガンダム』の劇場版がヒットして、ガンダムのプラモデルも非常に売れたという状況があったわけです。その後、富野監督は『ガンダム』以外の作品を世に出してきたんですが、そこにまた“ガンダム待望論”が出てきたわけです。それが『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』だったんですが、商業的実績は期待値は越えられませんでした。そこで「もうちょっと『ガンダム』をやろう」という雰囲気があったのが86年、87年のころなんです。富野監督も『ΖΖ』は若手に委ねた作品だったので、自分としてやりたいこともあったと思います。 ――素朴な疑問ですが、そういう状況の中で『逆襲のシャア』の脚本が提出されたら、関係者は驚いたのではないかと思うのですが。たとえばあのラストシーンとか。 違和感はな