神戸で過ごす3回目の大晦日は、去年おととしと同じように、一年の終わりにお祭りのようなにぎわいを見せる商店街をぶらぶらと歩く事から始まった。この日は食材をあつかうあらゆる商店は家族総出で店頭に出て声を張り上げ、その中を普段からの買い物客だけでなく帰省してきた家族連れの人たちも入り混じり、すれ違うのも苦労する大混雑となる。 年末年始をやりくりするだけの食材はすでに買ってあるのだし、なにもわざわざ今日は出かけなくてもよいのだが、この雰囲気が良いのだと熱気の渦に分け入って、必要もないのにあれやこれやと買い歩き、いつの間にかリュックは一杯に、両手には長ネギやら金時人参やらが顔を出す買い物袋がぶら下がる。 商店街を一歩外に出ると住宅街は人通りもなく静まり返っていてその落差と、静けさの中であらためて吸気に意識されるここちよい冷気で、あらためて今日が一年最後の日だと思う。 家に帰ると暖房をつけっぱなしにし