問題報告1件につき300円──。繊維大手セーレンには、社員による問題の報告を奨励する仕組みがある。「よく見つけましたね運動」は部署を問わず、問題や無駄などの報告に対する報酬を会社から社員に支払う。内容によっては1000円や1万円を支払うこともある。報告数は年間2万件にも達し、通常は言いにくいような他部署の課題などの指摘も多い。 川田達男会長最高経営責任者(CEO)は「基本的に現場の情報というのは上がってこない。管理者にとって悪い情報は入らないということだ」と強調する。さらに部下の話を聞く管理者のあるべき姿勢を説く。「良い話なら立ち話でよい。悪い話なら『まあまあ、お茶でも』と座って聞くのが大切だ」 現場の情報に徹底的にこだわる川田氏は、セーレンの中興の祖だ。顧客の指示で絹織物を精練し、染色して繊維大手に戻す下請け業だったセーレンは、国内繊維産業と成長を共にしたため、市場が下り坂に入ると存亡の

