香川の才能を評価できなかった日本人 【金子達仁】2010年10月01日 明治維新以降、日本の美術品が大量に海外へ流出した時代があった。進んでいる欧米に比べれば、自分たちの伝統文化など取るに足らないものだという思い込みが、本来であればもっと評価されてもいい作品の価値を不当なほどに引き下げてしまったのである。 いまの日本サッカーも、それと似ていないだろうか。 ドルトムントに渡った香川は、いよいよその評価を高めつつある。今後、マークはより厳しくなるだろうし、壁にぶち当たる時期も出てくるだろうが、それはあくまでも“スランプ”と見られるはずで、彼の才能自体に疑念を差し挟む人間はいないはずだ。 では、ドルトムントは“天才”との評価さえ受けつつある日本人を、いったいいくらで手に入れたのか。香川を売ったことで、セレッソ大阪はどれだけの利益を得たのか。 すでに、香川の価値は1カ月前の10倍以上になっていると