2020年6月5日のブックマーク (1件)

  • かわぎり(創作掌編)~ハヤさんの昔語り#2-12~ - かきがら掌編帖

    長年使ってきたやかんが壊れ、ハヤさんが買い替えたのは「究極のやかん」というステンレス・ケトルだった。 工学博士が幾度となく実験を重ねて設計したそうだが、見た目は昔ながらの素朴なやかんである。 珈琲店ではなく住居用に使うのだから──、 「特におしゃれなデザインである必要はないものね」と言うと、ハヤさんは心外そうに目を見張った。 「僕は、どこに置いても調和する素敵なデザインだと思います」 値段は一般的なやかんの数倍だが、「究極代」と考えれば高くないし、何よりハヤさんが気に入っていることが一番だ。 「このやかんだと、お湯が沸くのが早いから、光熱費の節約になります。弱火なのに湯気がしっかり出るのは、熱効率が良いからなんですよね」 「なるほど」 いくら早く沸いても、そのあとで湯気に見とれていれば光熱費は変わらない気もするが、言わぬが花というものだろう。 「瑞樹さん、水蒸気と湯気の違いを知ってますか?

    かわぎり(創作掌編)~ハヤさんの昔語り#2-12~ - かきがら掌編帖
    hentekomura
    hentekomura 2020/06/05
    今回もなんて素敵なお話☆ 「究極のやかん」と「川霧」を繋ぐところに toikimiさんの才を感じます