緑色のシャツに身を包んだ青年が、自転車に連結したリヤカーに緑色の大きな箱を乗せて都内を疾走する。そんな光景を最近よく見掛けないだろうか。雨が降ろうと、雪が降ろうと、風が吹き荒れようと、とにかく自転車をこいで荷物を運ぶ。これは2007年に事業がスタートした「エコ配」という宅配便サービスだ。 運営会社も同じ名称のエコ配。これまで日本の宅配便サービスはヤマト運輸や佐川急便といった大手企業の寡占状態だったが、エコ配はその隙間をつくニッチ戦略で少しずつ事業を伸ばしている、いわば物流業界のベンチャー企業である。 現在の売上高は約35億円で、荷物の年間取り扱い個数は900万個を超えた。ヤマト運輸の約16億個、佐川急便の約12億個と比べるとその差は歴然だが、そもそも主戦場が違うとエコ配の片地格人社長はどこ吹く風。エコ配は主にB2B(Business to Business)向けで、顧客数は1年間で10万社