技術的には実現可能なところまできている 開幕まで1年を切った大阪・関西万博において、目玉の一つとされているのが「空飛ぶクルマ」だ。高度な技術力の結晶であり、一般客にサービスとして提供できるようになれば100年に一度の交通改革となる、とさえ言われている。万博でお披露目となればそのインパクトは強烈なものになるだろう。しかし一方で、実現に向けては厳しい声が飛び交っている現実もある。 大阪の老舗タクシー会社である「大宝タクシー」は、タクシー会社として「空飛ぶクルマ」事業に唯一参画している企業だ。'22年に「そらとぶタクシー株式会社」を設立し、1台約7億円の機体を50台分購入する契約を結ぶなど、準備を進めてきた。 同社の舵取りを行うのは、双子の寳上(ほうじょう)卓音さんと寳上和音さん。現在30歳の若手経営者である二人は、万博での実現を目指す「空飛ぶクルマ」の現状についてこう明かす。 「すでに国内で高