がん細胞を遺伝子操作でやっつける療法。 米国食品医薬品局(FDA)が2017年8月30日、患者の血液中の細胞を操作する小児白血病の治療薬を認可しました。この大きな決定により、FDA認可の人間遺伝子操作治療への新しいドアが開いたこととなります。 この新薬キムリア(Kymriah)は、スイス製薬の製薬会社ノバルティスによって製造され、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)と呼ばれる療法を用いるもの。CAT-T療法では、まず医者により患者の白血球が採取され「がん細胞キラー」として白血球を改変。その後、改変された白血球は患者の体に戻され、がん細胞を攻撃するという仕組み。キムリアは最初に投与された薬が効かない幼児・若年の急性リンパ性白血病患者が対象の治療薬となります。 キムリアはCART-T療法の中でも初めて市場で認可された薬となります。63名の臨床実験では83%の患者が3ヶ月の投薬で寛解状態になった